学習塾のNAKANOのBLOG

小・中学生の学習方法や環境について

注意の仕方~論破は危険です~

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本日は、注意の仕方について。

指導しているとき、もっとも注意しなければならないのは注意の仕方です。まず、衝動的に「違うでしょ」と言いたいのをぐっと飲み込みます。そして、注意することによって相手に与える影響を判断したうえで、最もいい影響を与えるような注意の仕方を選択しなければなりません。

 

もちろん、あからさまに間違っていて、相手も間違ったことをしているという認識がある場合は端的に間違っていることを注意すればいいです。難しいのは相手が間違っているとは思わず、もしくはそれが正しいと判断して行動していることを注意するときです。相手が正しいと思っているということは、その行動の根拠にその人の考え方、つまり人格があります。それを注意するということはいうなればその人の人格に修正を加えることになるのです。

 

やり方を一歩間違えると猛反発を食らいます。往々にしてその反発が来ないのは、注意する方が上位者であるという力関係が成り立っているからです。しかし、心の中では煮え切らない思いを抱えているかもしれません。

 

さて、ここで最もやってはいけない注意の仕方ですが、

「絶対に相手の間違ったことを論破してはいけない」

ということです。基本的に注意の場面以外でも、意見が対立した時なども含めて相手を論破しても、まずいいことはありません。ぐうの音も出ないほど相手を論破したところで、論破した側は気持ちいいかもしれませんが、得られるのは相手の憎悪だけです。相手は確かに言い返さなかったかもしれませんが、それは納得して考えを改めていい返さなかったわけではありません。言い返せなかったのです。このような時、言い負かされた方はさぞ屈辱でしょう。いつか仕返ししてやると思っているかもしれません。

 

では、注意するときどのようにするのか。答えは非常に難しいかと思います。私もなかなかうまい答えが見つかりません。必勝法などがあれば楽なんでしょうが。

とりあえず私が心がけているのは、相手に注意したいことを気づいてもらうということです。そして、真剣に相手のことを思っているということを相手に分かってもらうことです。そのためには疑問を投げかけてみたり、それでも気づいてもらえないときは真剣に語りかけたりします。語りかけは教師と生徒という立場があるのである程度こちらの気持ちを聞き入れてもらえているように感じます。

また、真剣さを伝える時は「君のためを思っていってるんだよ」なんて言葉は言いません。これは、逆に私がこんなことを言われたら白々しく感じてしまうからです。

私が真剣さを伝える時は、声のトーン、表情、目線等で周りの空気を変えることを意識します。「あ、これマジなやつだ」と相手に分かってもらえれば、こちらの話も自然と聞いてもらえるかと思います。

 

とりあえず、まとめますと

1.注意の仕方は非常に神経を使う

2.相手の人格を否定しないように注意する

3.絶対に論破しない

4.相手にそれが正しくないことを自分で気づいてもらえるよう疑問を投げかけて考えてもらう。

5.それでも気づいてもらえない場合は真剣に語りかける

 

というところでしょうか。私もまだまだ勉強中です。どなたか注意の仕方について特に方法論をお持ちの方は是非教えていただけると嬉しいです。

 

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