今回は国語ですが、本当の意味での国語の学習に近道はあまりありません。今迄培ってきたものがもろに実力として出るのが国語だと思います。
ちなみに”本当の意味での”と書きましたが、実はテストである程度の点数をとる方法はあります。それは、学校の国語のテストは教科書の文章ですので、学校で先生が話したことを逐一メモし、とにかく何度も教科書を読んで、読むたびにメモを確認しておけばたいていの問題は解けます(いわゆる暗記です)。
しかし、これは本当の意味での国語力ではありません。古文、漢文であれば上述のやり方である程度力はつくかと思います。しかし、現代文に至っては、入試で扱われる問題は初めて見る文章でしょうし、問題を作る人によって答えも違う(!!)ので出題者の気持ちをくみ取る力も必要になってきます。
なので、今回は効率の良い勉強の方法は先ほどの「教科書読み込んで、注意点を逐一確認する」でおしまいにしまして、現代文の地力を上げる学習の仕方について触れてみたいと思います。
最初に書きました通り、国語力に至っては急激に上昇させるのが難しい教科です。しかも、結構早い段階で国語力(特に文章読解能力と記述力)には差が出てしまうと思います。多分小学校高学年のころには顕著にその差が出てしまっているのではないでしょうか。つまり、小学校のそれも早い段階で国語力の下地が築かれているのではないかと思います。小さいころから活字に触れているのに、国語がぼろぼろという生徒さんにまずお会いしたことがありませんので(ゼロではないと思いますが、ほとんどいないと思います)。
また、本を読んでいる生徒さんの語彙力はかなり高く、漢字の読みはほとんど正答することが出来ます。書きの方はコツコツ努力して覚えていく必要がありますので、いかんともしがたいですが、ある程度読めない漢字でも、文脈から意味や読みを引っ張ってくる力が養われています。
…とここまで書きました通り、とりあえず本を読むことにより国語力は鍛えられる。しかも幼い段階から親しんでいるほど地力がある。ということです。
では、本を読みさえすればよい、もしくは大きくなってしまったら国語力はあきらめるしかないのか、と言えばそうではありません。
本を深く読む訓練をすれば国語力は鍛えることが出来ます。ここで重要なのは、「深く読む」ということです。ただ本に書いてある字をさらっと読んで、物語の流れだけ把握し、ああ、面白かったを繰り返してもなかなか国語力はつきません。読んだ本の趣旨を理解したり、文章の流れから登場人物の心情を読み取ったり、文章の裏に隠れている筆者の意図、その場面の情景等、とにかく文章から多くの情報を得ることが「深く読む」ということです。
では、どうやったら深く読めるのか。その他の国語力を鍛える手法も交えながら箇条書きにまとめたいと思います。
- 読書会を行う。二人以上(特に一人は読書が好きで、国語力が高い人が混じっている方がよい)で一緒の本を読み、感想や意見を言い合うことで、どんどん深く読み込んでいくことが出来ます。そのためには、同じ本を好きな友達を見つけましょう。もしくは友達に本を紹介してみましょう。友達も面白そうと思ってくれる解説が出来るでしょうか。その解説も本の要約力が問われます。※私の時は小学校低学年時、「ずっこけ三人組」という本で友人と盛り上がって話していました。
- 本を読むごとにその本の要約文を200字程度、その本に対する感想文を800字程度で書き、先生に添削してもらう。
- 自分で小説や読書感想文を書き、一般募集のコンクールに応募してみる。入賞すると副賞がもらえるのでやる気がわきます。
- 本のジャンルは何でもよいが、マンガや挿絵が多いものは情景を想像する行為を阻害するので避ける。
- テレビを見る時は字幕をオンにする(幼稚園~小学校6年位まで)。読む速度や語彙力の向上につながります。※うちの子はこのやり方で4歳までにひらがな、カタカナ、アルファベットの読み書きが出来るようになりました(親は一切習い事や指導をしたことはありません)。
- 毎日10分程度隙間時間に漢字の学習を行う。漢字は読みを隠して書きができるか。またはその反対。できないところだけマーカーを引き、再度同じようにやる。それをできないところがなくなるまで行う。
とりあえず、以上の6つをやってみてください。すぐに効果は出ないかもしれませんが、半年位で効果が表れてくるかと思います。