学習塾のNAKANOのBLOG

小・中学生の学習方法や環境について

過去の経験から考える(追い込み大逆転はできるのか?)

熊本 塾 受験

今回は高校受験で夏休みからの追い込み大逆転はできるのかについて、私の過去の経験から考えてみたいと思います。

 

3年生の夏休み頃になると、さすがにのんびりしていた中学3年生の生徒様も重い腰を上げて動き始めます。はっきり言ってこの時期から動き始めた場合、相当な取り組みをしないと大逆転は難しいと思います。

なぜならば、その時にはすでにみんな同じように頑張っているからです。しかも、自分より成績がいい生徒様は自分よりも早く、しかもさらに多くの時間をすでに受験勉強に費やし始めていると考えるべきです。それを残り半年足らずで逆転しなければならないのです。しかも自分より成績がいいということは、選抜の半分を占める内申も自分よりいいということ。これはちょっとやそっとの努力では大逆転できません。

 

さて、私が担当した生徒様で、私自身感動するくらい頑張った生徒様がいらっしゃいました。最初はおっとりとした感じでしたが、どんどん自分を律していき、最盛期には指導中に力尽きてそのまま寝てしまうくらいでした(別に不真面目で寝てしまったというわけではなく、本当に力尽きてガクッと…とう感じです。)。

 

指導当初の成績は学年50番前後でした。最終的にはE判定だった熊本のトップ2のうちの一つ、S高校の判定もCまでいきました。ただ、通っていた中学校からは毎年その学校へは上位5名弱しか通らないなか、最終順位は10番台。中3の追い込みで皆が頑張っている時期によくここまで伸びてきたなと感動していましたが、一方でもう少し足りないかなという感じでした。

弱点は思考力です。一般的な入試問題まではこなすことが出来るようになっていましたが、S高校に入るためにはさらに皆が解けないような難解な問題を解いていく必要があります。単純な反復では身につかない、深く考える力が必要になりますが、それを半年間の指導で十分に養うことが出来ませんでした。

生徒様は素直にしっかりと私の指導についてきてくださいましたが、そこまで行き着かなかったのは私の力不足です。申し訳ないと思います。

結果は、当初一般入試でD判定だった熊本ではトップの私立高校であるS高校に奨学生Bで合格はしましたが、本命の公立S高校には届きませんでした。

 

元々の成績からするとかなりの大躍進で、生徒様、保護者様含め大満足の結果だったわけですが、私としてはさらにその上まで行ってほしかったというのが本音ではあります。

 

この生徒様、夏から毎日大手進学塾に休まず通い、塾の後に私の指導を2時間受けるという生活でした。きついはずなのに笑顔を絶やさなかった取り組み姿勢に本当に感動いたしました。模試で140点位(250点満点。大体200点越えてくるとS高校の合格ラインに入ってきます)だった成績も、共通テスト時には190点を超えるようになっていました。後一歩、しかし、その一歩は果てしなく遠いとも痛感いたしました。こんなにやってもやはり上位を大逆転するのは難しいのか…と。

 

よく、夏になると「この夏頑張って大逆転だ」というフレーズがきかれますが、あのフレーズは今迄学業を頑張ってきた上位の人たちに対しては大変失礼です。上位の人はもっと頑張っています。その頑張っている人たちを簡単に逆転できると思ってはなりません。もともと頑張っている上位の人たち以上(しかもとんでもなく多く)に努力して、初めて少し追いつくことが出来るのだと肝に銘じておいてください。

なので、3年の夏に頑張れば…なんて甘いことを言っていると、とんでもなくつらい受験勉強を行うことになりますよ。

www.nakanoshinsuke.net